くるみバッグ

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くるみバッグ
過去の作品に振り返る。(作った時のことを思い返しました。)

最近知り合いの展覧会に行った時がきっかけでした。

学生時代ジュエリー先行の同級生にコンチョの作り方を教わって作る際、半球の凹みの台にコケシの様な打ち棒を当てコインを丸く仕上げる、台とコンチョが傷つかない様にするため革を間に敷いて打った。出来上がったコンチョと共に丸く膨らんだ革が同時に出来上がったのがきっかけでした。何も考えず叩いた金属の間に挟まってた革の膨らみがとても綺麗感動した、これをいつか活かしたいと思い続けていた。
大学を卒業し展示会もし皮革組合にも所属していた時、組合の事業で革製品の企画があった。
数ある作家の中から自分が選ばれ何故か企画する事になった。
漠然とバッグデザインをしたスケッチの中から一つのデザイン画が選ばれ制作する事になった。丸い形にポコポコ膨らんだ物が付いたデザイン。自分でも何と無くあの時できた膨らんだ革を縫い付ければできると思っていた。
同じ素材の革でも膨らんだ物を付けるのは凄く困難だった。
その時の技術は手縫いしかなく、縫い目が汚く仕上がってしまう。
一針一針意識して穴をあけて縫う、一針入魂とはこの事だと思った。普通のバッグにはない意識でしょう。
企画の中間報告で膨らんだ革とを縫い合わせたサンプルを見せた時意匠登録を勧められた。意匠登録をこの時初めて知った。そのあと登録したのでバッグに付けて販売する事は僕以外に許可されない。
今では思い通りに型紙を作る事ができるが、その時すぐできる事を考えて紙風船を買ってきて、それを元に型紙を作った。
YKKのファスナーの引き手もくるみバッグに合う様に丸いデザインを探して別注で選んだ。何気ないパーツもディテールが大事だから。
それぞれを組み合わせ完成させた。
それからたくさん作り個展をした。しっくりする名前が浮かばないまま最初玉ねぎバッグとかポコポコバッグとか名付けていた、個展にきた親友に名前を指摘され『くるみバッグ』と名付けてくれた。自分でも悩んでいた名前が解決してしっくりした。
その後コンテストに挑戦したら、大阪工芸展で受賞した。

それから日々クオリティが上がるようにポコポコを綺麗な形に出来上がりミシンでも縫えるように改善し続けている。

とーるちゃんねるでした。☆〜(ゝ。∂)